その5の続き~
さて、ヨガを始めて次々と皆さんに起こる「心の変化」。
今日は一人のOLさんのお話を。
オフィスワークでパソコンに向かう仕事をしておられると、どうしても肩こり首こり、そこから来る眼精疲労。ひどい場合には頭痛が起こる方もいますね。同じ姿勢が続くことによる腰痛や、キーボードを打ち続けることで腱鞘炎も。
近いところばかり見ているとやはり呼吸が浅くなってしまうものです。
40代半ばのOLさんも、長時間のオフィスワークから呼吸が浅く、身体が必要とする量の酸素が供給されていないのが一目瞭然でした。
十分な酸素が身体に取り込めないと、しなやかさが失われ、身体は硬くなってしまいます。
硬い身体には、柔軟な思考は宿りませんよね。
彼女に必要なのは、痩せてプロポーションを良くするためのダイエットのヨガではなく、十分な呼吸ができる余裕のある身体づくりでした。
まずは正しい呼吸のしかたを丁寧にお伝えしました。
そして呼吸と身体の動きを合わせて、ヨガをしている自分の内側の変化に集中することにしてもらいました。
1回のレッスンでは、ご自分の変化を感じたという手応えはなかったかもしれません。
ですが、レッスンの最後に行う「シャバーサナ」(屍のポーズ)の時に、ふっと心地よさを感じたそうです。
その一瞬が、彼女にとってはご褒美でした。
そして、残業がなくて、レッスンに来られる時は必ず来て下さるようになりました。
ヨガは、身体が柔らかければ、ポーズが上手にとれる、ということではありません。
自分の身体の動きの中で、いかに意識を向けられるか、ということが大切なのです。
彼女は、同じポーズ、同じ動きをしていても、毎回異なる自分の身体に意識を向けることが上手になってきました。
しばらくすると、呼吸もゆったりと深くなり、身体に意識を向ける作業も自然になり、硬かった身体にはしなやかさが出てきました。
彼女の思考もしなやかになっていったのでしょう。
ある時、スタッフ同士で話していました。
「最近、Iさん(彼女のことです)レッスン来られてないよねー。どうしたのかなー?」
「仕事が忙しくて残業続いてるんじゃない?」
「これでヨガやめちゃったらもったいないなー」
彼女の姿が見られなくなってから、4ヶ月ほど経ちました。
ちょうどお正月で、スタジオに来て下さって住所を残して下さった方に、年賀状をお送りしたのです。
彼女はそれお返事を下さったのでした。
送信元の住所は、なんと沖縄県!!
「大阪での仕事で得たものはいろいろありましたが、いつか沖縄に移住したいという夢をずっと持っていました。
今は、近所の公民館でやっているヨガにマイペースながら参加したりしています。
大阪を発つときにご連絡ができなかったこと、気になっていました。
スタジオの年賀状を頂けて、お返事が書けて良かったです。
先生方も皆さんどうぞお元気で。」
スタッフ一同、びっくり!
でも、ちょっと納得した気持ちでした。
しなやかな思考の持ち主は、自分の本当にやりたいことに対して素直になれるんです。
そして、どんな状況にあろうとも、そのしなやかさで、うまく対応していけるから。
もうちょっと続くかも~